消防・救急緊急自動車運転技能者課程に参加しました。
こんにちは。取締役の後藤です。
宮崎も夏が過ぎ、すっかり肌で秋を感じる季節となりました。
先週1週間、私は茨城県にて研修に参加していたのですが、九州の感覚のまま関東に来てしまい、あまりの寒さに思わず上着を購入してしまいました。
季節の変わり目ですので皆様も体調を崩されぬようどうぞ御自愛下さい。
さて、先ほども述べましたが去る10月11日(火)から10月14日(金)までの4日間、茨城県にある安全運転中央研修所にて「消防・救急緊急自動車運転技能者課程研修」に参加して参りました。
この研修は、消防・救急関係の緊急自動車を運転する機会がある人、またそれらの方々を指導する機会がある人に向けられて実施されている研修です。
安全運転中央研修所とは昭和50年に自動車安全運転センター法に基づき設立された国家公安委員会が所管する施設で有り、平成15年に民間法人化された施設です。
実技指導教官は、現職の警察官や公安委員会指定自動車教習所教官、バス会社や運送会社、自動車関連企業などから出向されている安全運転に携わるプロの方々です。
座学指導教官も自動車工学専門官や大学教授、心理学専門官など運転に関わる理論のプロの方々となっており、この中央研修所でなければ受講できない大変貴重な研修です。
安全運転中央研修所は東京ドーム20個分の広さを持ち各種研修車両が数十台単位で用意されている大変環境が整った施設ですが、今回の研修の目的は「個々の運転技術向上の研修」ではありません。
この研修の最大の目的は、「安全な環境で、車両や自身の限界を理解し体感して学ぶこと」です。
私達は常日頃から自動車を公道で運転し生活をしていますが、実際に車両の限界や人間としての反応の限界を意識して運転することは少ないと思います。
この施設では、それらの車両の限界や人間の反応時間、操作技術の限界などを安全な環境を保ちつつ実際に体験することで、理論を頭と身体で理解し、その経験から安全運転に繋げることが出来ます。
研修項目は
【座学】
・車両の特性
・救急車の特性
・交通危険学
・運転適性(心理学)
【実技】
・日常点検
・スラローム走行訓練
・夜間研修(夜間特性の理解)
・ABS(アンチロックブレーキシステム:急ブレーキ時にブレーキロックさせないシステム)訓練
・低ミュー路(極端に滑りやすい路面)訓練
・障害物回避訓練、障害物接触訓練
・狭隘路走行訓練
・緊急走行訓練
などなど、かなりボリュームのある研修を次々と実施していきます。
実技研修では救急車両と同様の車両を使用しそれぞれの状況を模した訓練コースで実施していきますが、実技教官からは「安全確認は怠ることなく、でも車両を壊しても良いから限界を体験して下さい」と幾度となく指導されます。
この様に指導されるのは、事故を発生させてしまう限界域を知っているのと知らないのでは、実際の緊急走行中における運転操作に大きな差が出ることによります。
実際に体感してみて、車両が滑り出す感覚や急停止出来る距離、止まりきれない距離、ぶつかった感覚、運転席からみる距離の認識と外部から見た距離など多くの項目において自身の認識と実際の違いについてこんなにも違うものかと思い知らされました。
私自身大学生時代に自動車部に所属しており、自動車の運転操作と安全運転への意識はある程度自信があるつもりでしたが、主観的、客観的に学ぶことの出来る今回の研修は改めて大変勉強となりました。
これらを持ち帰って社内で共有し、安全運転・緊急走行に関する知識技術の向上を図りたいと思います。
今回の研修は日本全国から消防組織を始め民間企業(工場内の自衛消防)、病院施設など15名が参加しておりましたが、なんと救急救命士養成校時代の同期と後輩が参加しており思わぬ再会となりました。
このような研修で同窓生と会うのは大変嬉しく、かつとても心強いものとなりました。
最後になりましたが、この様な研修を催して下さいました安全運転中央研修所の皆様、一緒に研修を受講された平成28年度第7期消防・救急自動車運転技能者課程参加者の皆様、貴重な機会を頂き本当にありがとう御座いました。
研修車両(トヨタ:ハイエース フルサイズ)
障害物緊急回避訓練(右後輪が衝撃で浮いています)
※写真は許可を頂き撮影しております。