皆さん、こんにちは。美郷救急事業部北郷救急課の川口です。

西日本を中心に大雨による甚大な被害が発生しております。被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げますと共に、今なお避難されている皆様と救助・復旧作業に従事されている皆様のご安全を心よりお祈り申し上げます。

先日看護学校の授業中に突然大きな音と揺れを感じました。これは地震だと感じ、避難しようとしたところ、新燃岳の噴火による空振ということがわかりました。恥ずかしながら私は空振という言葉を知りませんでした。調べてみると、「火山の噴火や、核実験などに伴って発生する空気中を伝わる空気振動である」ということがわかりました。皆さんはご存知でしたか。空振による被害としてガラスの破片で怪我をすることが多いようです。新燃岳の火山活動は続いているため、窓から離れた場所に布団を敷くなど対策をしていこうと思います

 

さて、去る6月23,24日に福岡県久留米市で開催された日本老年看護学会第23回学術集会に参加しました。

日本老年看護学会は「老年看護学の学術的発展と教育・普及、看護実践の質向上を図り、もって人々の健康と福祉に貢献する」ことを目的に設立され、毎年学術集会が開催されてきたようですが、今回初めて九州での開催に至ったそうです。私は普段の救急救命業務や看護学校での授業や実習から高齢者について理解するためには、高齢者の老化による身体の変化や高齢者が抱える問題、高齢者を取り巻くシステムをもっと勉強しなければならないと感じており、学会参加を決めました。会場には、医療関係者や学生が多く集まり、1,000人収容できるホールに立ち見が出るなど大変熱気を帯びていました。

 

様々な発表がありましたが、その中で最も印象に残った講演を一部紹介したいと思います。それは「高齢者の睡眠障害の鑑別と治療~せん妄や転倒・転落予防を考慮した対応~」についての講演です。

・生体時計について知る

人間には生体時計があり24.5~25時間周期となっている。生体時計に影響を与えるのは①明暗②食事③人との接触④身体運動⑤環境であり、デイサービス、デイケア、グランドゴルフは①~⑤を網羅している。生体時計の維持は認知症を予防し、健康寿命の延長に大きく影響している。

・不眠と頻尿の改善

浅い睡眠によって、膀胱容量減少し、夜間にトイレに行くことで、転倒による骨折や光による再入眠困難という悪循環が起こる。また、夜間頻尿(夜1回以上の排尿のため起きる)になると、睡眠が浅くなり、昼間のQOL(日常生活動作)が低下し、様々な疾患を引き起こし、死亡しやすくなる。この状況を打開するためにも睡眠薬が効果的である。不眠症の方の骨折の状況で睡眠薬服用ありの場合は、睡眠薬を飲んでも寝れない人がいる21~24時と、薬の効き目が弱くなる1~4時に転倒しやすいことが分かっている。睡眠薬服用なしの場合はどの時間帯でも転倒していることが分かっている。しかし、睡眠薬も使い方を間違えると認知機能の低下、ふらつき、骨折につながることを忘れてはならない。

・結局どういう生活を送ればいいのか。

人間は起きてから15~16時間で眠くなる。「早寝早起き」と昔から言われているが、本当は「早起き早寝」、人間の身体は朝一定の時刻に起きなければ早く寝ることができないようになっている。布団に入っている時間は7時間を目標に、深夜に起きてしまう可能性がある19時~22時を入眠禁止ゾーンとする。例えば22時までは椅子もしくはソファで寝ないようにし、22時過ぎに布団に入り、朝5~6時に起きるという生活が理想である。

 

以上をまとめると、不眠症をそのままにせずに治療し、早起き早寝を実践し、生体時計を整えることで、浅い睡眠をなくしていく。また、夜間頻尿をそのままにせず治療し、夜間の行動を減らし、転倒による骨折をなくしていく。この二つを実践できれば、ADL(日常生活動作)が維持され、QOLが向上し、健康寿命の延伸に繋がるという内容でした。これまで睡眠は大事ということしか考えてこなかった私には、とても興味深い話ばかりで大変勉強になりました。今後、社内勉強会や町民向けの予防教育の機会があれば、今回学んだことを分かりやすく多くの人に伝えられたらと思っています。

 

2日間を通して、認知症についての議題がとても多かったように感じました。その他では、看護師による直接的な医療のサポートである看護外来や寄り添える場を作るためのNPO活動など興味深い話を聞くことができ、大変有意義な時間となりました。

 

高齢化率が高い地域で働く私たちが高齢者について学び、知ることにより、高齢者がその人らしく、より豊かに生きていくことができるはずです。これからも病気をみるだけでなく、病気に至るまでの背景を考え、対象者に合った支援を行える人材になれるよう努力していきたいと思います。