皆様、こんにちは!

美郷救急事業部 南郷救急課の河野賢太朗です。

 

去る、6月9日~10日の2日間、島根県にある隠岐病院で開催されました、BLSOとNCPRのコースに受講生として参加致しました。

BLSOとはBasic Life Support in Obstetricsの略で、病院前での妊産婦救急を想定した産科に関する基礎的なトレーニングコースであり、マネキンを使用したシミュレーションを行い、妊婦の評価方法・分娩介助・新生児蘇生・妊婦蘇生等について学ぶことが出来ます。産科救急には滅多に遭遇する機会はありませんが、救急救命士をはじめ、看護師さんや医学生の方々と一緒に本コースを受講致しました。ちなみに今回開催された隠岐病院はドラマ コウノドリの撮影現場でもあり、モデルとなった先生方や看護師さん・助産師さんにご指導を頂きました。

私がBLSOとNCPRを受講しようと思ったきっかけは、実際に発露状態(胎児の頭が完全に見えていて戻らない状態)の妊婦を搬送したことがあり、その時の私は産科について詳しい知識や技術がなく、とても不安な気持ちのまま母体の容態管理を行ってしまいました。無事に病院まで搬送し、元気な赤ちゃんを出産できたとの連絡がありましたが、このままだと救急隊(救急救命士)としての力のなさを感じたため今回の受講に至りました。
近年は女性の社会進出や子育て環境の変化など、さまざまな要因が重なって初産の平均年齢は年々上がってきております。「内閣府 平成28年版少子化社会対策白書」によると、初産の平均年齢は年々上昇しており2014年には第一子の出生年齢が平均30.6歳という結果となっています。そして、第二子では平均32.4歳、第三子では平均33.4歳です。そのため、高齢出産(35歳以上で初めて出産すること)が増えてきており、高齢出産の場合何らかのリスクを伴う場合があります。プレホスピタルでは、分娩に十分な環境とは言えない為、BLSOでは分娩介助の方法等学びましたが、一番は医療機関まで出産させず搬送することが大切だと感じました。コース当日の講義やシミュレーションでは、初めて耳にした内容も多々あり、大変貴重な経験をすることが出来ました。また、シミュレーションで使用した胎児のマネキンは羊水でヌルヌルした状態であり、とてもリアルで産科救急現場に似た実技が行えました。

2日目に開催されましたNCPRコースは、Neonatal Cardio-Pulmonary Resuscitationの略で、新生児蘇生法についてご指導頂きました。出産の影響で、脳血管障害や心疾患などを引き起こすことがある為、母体もそうですが胎児にまで危険な状態に陥ってしまうことがあります。万が一胎児の呼吸・心拍が感じられない場合に焦らず落ち着いて対応できるよう今回のコースを通して学ばせて頂きました。成人の心肺蘇生法とは多々異なる面がある為、初めは活動の流れに慣れませんでしたが、NCPRアルゴリズムに沿って迅速な新生児蘇生法を実施できるようにまで達することができました。母子ともに救命することが目的なため、1つ1つの手技や迅速な判断力はとても重要視されます。自分で判断する能力・現場をコントロールする能力や適切な処置を行えるような救急隊(救急救命士)になりたいです。

 

最後になりますが、お忙しいなか2日間ご指導をしてくださったインストラクターやアシスタントの皆様、隠岐病院のスタッフの皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。また受講生の皆様、お疲れ様でした。今回身に付けた知識や技術を現場に生かし、救急現場で唯一「おめでとうございます!」と言える産科で心から祝福できるよう、今後も努力し続けていきたいと思います。