こんにちは、勝浦救急事業部の古川です。

徳島県に来まして2度目の冬を過ごしました。今年の冬は昨年に比べて降雪日も多くて、寒さを感じる日が多かったように思います。
そんな寒さもようやく和らぎまして、勝浦町内では桜も咲きはじめ春を感じられるようになりました。

さて、去る2月17・18日に鳥取県の名峰「大山」の中腹にある大山青年の家 にて開催されました、日本登山医学会認定山岳ファーストエイド講習会(冬コース)に参加してきました。

日本登山医学会とは、1981年に創設された日本で唯一の登山医学に関する専門の団体で、医学的知識の・向上・普及を通じて登山活動の安全に貢献をされています。日本の夏山シーズンに開かれる北アルプスや南アルプスにある山小屋診療所は、ほとんどが日本登山医学会の関係者の皆様で運営されております。

また、山岳ファーストエイド講習会は、登山など野外での活動における生理的変化、傷病、応急・救命処置に関しまして、欧州や北米などで標準的となりつつある医学的知見に基づく知識と技術の習得を目的としており、登山など野外での活動において、予防医学の実践、傷病者への初期対応技能を上げ、事故や遭難の減少、救命率の改善・後遺症の軽減を図ることを目的として開催されています。

登山など野外での活動において傷病者に遭遇した場合は、都市部と違い病院到着や救急車到着まで時間がかかり医療介入が大変遅くなりますので、現場での非医療者による適切な応急・救命処置は救命率を高める重要なポイントとなります。
山岳等の野外環境の応急・救命処置は、環境因子による特性を踏まえた正しい知識と適切な応急・救命技術が必要となってきます。

本講習会の講師は国内外の豊富な登山経験があり、尚且つ山小屋診療所等での山岳医療を実践されている医師の先生方が講師となり、近年の国内山岳遭難事案の疫学をもとにした医学的な座学講義をされ、実践的な実技を指導します。
受講生は消防・警察機関の山岳救助に携わる方や、医師、看護師、遭難対策協議会の方々など約20名が参加しました。

講習内容は、山岳事案に対する3SABCDEによる評価方法、外傷処置・山岳環境で発生する疾病等について、座学と屋外雪上でのシナリオトレーニング実技によって構成されています。

冬コースでは、低体温症、凍傷、雪崩埋没など冬季山岳遭難事案に特化した内容で、実際に国内の冬山遭難現場であった事例をもとに、国内の医療事情や救助・救急事情が考慮されたシミュレーションとなっており、実践的な活動を習得することができました。

とくに冬季の山岳救助救急事案では、要請内容の急病や外傷の他にも時間とともに低体温症へ移行していくことを念頭に置きながら活動していく重要性や、活動隊自隊の安全管理の重要性についても学ぶことができました。

また、講習の合間には山岳遭難事案に対応している消防・警察機関の皆様より、実際の現場の状況や冬山山岳現場の危険性について話を伺えましたことも大変勉強になりました。
近年では登山ブームによって、登山は危険という概念が薄れてきており、登山に対する予備知識不足からの軽装備による救助要請や、マナーの低下による登山計画書の無届けによる対応困難遭難事案が増加しているとのことでした。
山岳遭難事案は外傷や疾病の原因だけではなく、じつは予防できた事案も多数発生しており、山岳遭難事故予防の啓発に努めていかなければならないと改めて感じました。

実践的な講習会でしたので通常の業務でも活用できる内容が数多くあり大変勉強になり、今後の業務に生かしていきたいと思います。また、普段の山岳装備についても見直していきたいと思います。

最後になりますが、講習会を企画して頂きました講師の先生の皆様、運営サポーターの皆様、受講生の皆様、大変お世話になりました。ありがとうございました。

IMG_55491